備前焼 松本頼明

 

土と炎のみで生み出される備前焼の工程

@ 土作り

「ひよせ」と呼ばれる田んぼの底の土を採土し、1〜2年風雨にさらさします。

風雨にさらされた土を細かく砕き水簸(すいひ)します。

この工程により、より細かな粒子の土を取り出します。

水簸した粘土を黒土と混ぜ、土踏みをした後、土を寝かします。

A 土もみ

半年〜数年寝かした粘土を作品が焼成中の高温で割れないように十分に練って中に含まれている空気を除去します。

B 成形

一般的にはろくろ等を使い作品を成形します。

細工ものを作る場合の"手びねり"、頑丈なつくりとなる"紐作り"や"板おこし"で成形することもあります。

ひび割れや変形を防ぐため、日陰において窯詰めまで自然にゆっくりと乾燥させます。

C 窯詰め

窯詰めの最大のポイントは、如何に美しい景色を焼き付けるかというところにあります。

窯の中の炎の流れを頭に描き、焼け色を想像しながら窯詰めします。

D 窯焚き

最も一般的な窯は、「登り窯」です。

窯焚きは、松の割り木が主流となっています。

この松の割り木を1200〜1800束使用します。

くゆし、あぶり、中焚き、本焚きと慎重に温度を上げていき、最終的に約1250°Cに到達します。

約2週間焚き続けます。

E 窯出し

火を止めてからすぐに窯を開けると、急激な温度変化によって作品が割れてしまいますので、約10日間ほどかけて自然に徐冷します。

窯が冷めたら作品を慎重に窯から出します。

作品は目の細かいサンドペーパーで仕上げ、水洗いして完成です。

※ これは、備前焼の一般的な製造工程です。

 

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